君がいればそれだけで。
王女が不老不死になるまでは普通の仲の良い兄弟だったそうだ。でも、兄は自分のせいでなったと思い気が狂っていった。唯一の家族として国を作る計画は続け、帰ってきてくれるのを待っているのだそう。
当時は魔女の兄弟としか言われていなかったから王女の事だとは思っていなかった。そんな昔話もあるんだなくらいにしか思っていなかった。でも、二人の貴重な時間だった。

「もう・・・、頑張らなくて良いのね・・・」

「お疲れ様でした」

王女は俺に身を委ねると腕の中で眠った。今まで見た事の無い、安心しきった嬉しそうな寝顔をしていた。いつもは少し動いただけでもすぐ起きるのに持ち上げても起きる事がなかった。
今日のためにずっと頑張ってきたんだよな。
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