君がいればそれだけで。
七章・これからの主人

変わったな

これが本当の王女なのか。性格変わっていないか。全然大人しくしていないじゃないか。城にいる時は自室か庭にしかいなかったのに、今はどこにいるのかさえ検討が付かない。

「シオラ!クヲラ!王女様知らないか!」

「地下室にいないなら屋根の上じゃないのか?」

「何かあったの?」

いつも以上に冷静なシオラの下に就いたクヲラは見習いの執事として働いていた。二人の問いかけに、まだ王女が舞踏会用の衣服に着替えられていないんだと伝えると呆れたように笑った。
数時間もしないで舞踏会が始まってしまうと言うのにどこにいるのやら。そして、二人もどうしてそこまで余裕な表情をしているのか。
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