君がいればそれだけで。

本当に・・・?

ここは一体どこなんだ。窓も扉もない。監獄でも書斎でもない。薄暗い部屋に大きな筒状の中で不気味に光る液体が危険なのか、安全なのかも分からない。王女は無事なのだろうか。

「王女様!!大丈夫ですか!?」

どれだけ叫んでも目の前で倒れている王女が起きる事はなかった。足には鎖が繋がれていて近付けない。横になって体や手を目一杯伸ばしても届かない。後少し、後少しで届く距離にいるのに。

「パルはその人を私だと言うの?」

「あなたは・・・?」

「分からない?あなたが一番愛してくれていたフィリアだよ?」
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