君がいればそれだけで。
フィン様のそばにいて楽しいと思わない方がおかしいんだ。そばにいれば自分の長所短所だけじゃない。欠点や知らなかった特技まで見えてくるようになる。毎日が発見の連続で飽きるという単語がどういう意味であったかを忘れてしまうくらい充実している。

「ごめん、困らせるつもりはなかったの。庭へ向かいましょうか」

「俺たちが来て、フィン様は幸せでしたか?」

「とっても幸せだったよ。今でもそう思ってる」

あたふたしてしまった二人を見て笑いながら謝るフィン様はいつも以上に楽しそうだった。ぴんっと張っていた緊張の糸が切れたんだ。いつも以上の笑顔が見れても不思議ではないか。
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