君がいればそれだけで。
びしっとした執事専用の服も着こなして、髪も整えて。この町の人からも信頼されるようになってきている。ヒューに関してはもう打ち解けて子供たちに悪戯されている。置いてけぼりにでもなった気分だ。

「ベクウ、一緒に来て」

「ん?俺ですか?」

「えぇ。平和ボケしては国に戻った時に困るでしょう?」

俺やリズレイドは侵入者たちと戦うから腕がなまる事はない。一日一日の訓練は忘れないし、パルさんともよく手合わせしている。でも、ベクウは俺たちとはまた違う術の持ち主だ。手合わせした所で鈍ってしまうのだろう。
どこに行くのか興味があったけれど、ベクウの行くような所なら付いていける自信がない。
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