君 色。 <短>
青色。
「久しぶりだな」
「……うん」
出逢った私たちは、並んで歩き出した。
君の肩と私の頭を一列に並べて。
何を言ったわけでもないけれど、向かう先はひとつだった。
二人でよく待ち合わせをした近くの公園。
緑はないけれど、錆びかけた遊具がやけに落ち着きをくれたっけ。
二人の定位置は、つき刺さる青空が綺麗な、ちょうど二人分の滑り台の頂上。
普段より少し高い場所から流れる雲を見上げて
私達はいつも一緒に過ごした。
あぁ、懐かしいな。
“なつかしい”
そう思ってしまうほどに、私たちは互いがいない時を過ごしてしまっていたんだ。
「ケイちゃんは元気だった?」
久しぶりに口にする、あの頃の呼び名に
妙に気恥ずかしい、不思議な感覚が宿る。
「まぁな。南は?」
「……私も、まぁまぁかな」
……あぁ、
“元気だった?”
そんなことを聞かないとわからないくらい、
私たちは、互いをわからなくなっていたんだね。
二人にしかわからない、湿った空気が流れる。
その寂しさを紛らわせるために私達は、空しい笑いを漏らした。
……寂しすぎる二人。
おかしいな。
なんだか胸が……
痛いや――