君 色。 <短>



「……同じだよ」

「え?」


驚くほど、私達は似てる。

笑っちゃうよ。



「私もね、さっきまで気付いてなかった。自分がまだ引きずってたなんて知らなかったよ」



誰といても、ケイちゃんは、ケイちゃんだったら――

何を見てても、ケイちゃんに、ケイちゃんとだったら――


そんなことばっかりだったんだよ。


それが忘れられないってことだったなんてね。



ちゃんとわかってるから。


あの時、サヨナラを言わなかった君の気持ちもわかってたし

二年間、連絡してこなかった理由だって知ってる。



だって、私が君でも多分同じことしてるだろうから――
 


恐かったんだよね。

みんなみんな、私と同じだよ。



違う時計を見ながら、私達は同じリズムを刻んでたんだ。

同じ思いを抱き続けてここまで来た。



意気地なしに弱虫に勝手。

その上、鈍感ときた私達。



呆れるくらいに似過ぎてるね。




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