君 色。 <短>
だけど、そんな最悪な二人の唯一のいいところは
互いの前だけでは、決して嘘付きにはならないとこ、だよね。
だからね、ケイちゃん。
潤い出した気持ちに、もう嘘はつかない。
――つけない。
一人になると、ますます弱くなる私達だから……
待ってることも、迎えに行くこともできなかったけど。
それどころか、もし今逢わなかったら
こんなかけがえのない思いに背を向けて、一生気付かないで終わってたかもしれないくらいだよね。
そう思うと私達、なんて怖いことをしようとしてたんだろう――
それでも……
また出逢えたことは
絶対絶対、必然だから。
私は、運命論を信じるよ。
赤い糸どころじゃない。
君と私を繋ぐのは、絶対切れないワイヤーだよ。
あーあ……
まいったな。
困ったな。
こんなに息苦しいほどの群れの中で生きてきて
同じような人なんて、たくさんいるのに……
何度でも恋に堕ちる。
――君だけに。
悩むのが大好きで
ハミ出すのが上手くて
そんな二人のちっぽけな歴史はまだ続いていくらしい。