群青色の空




いじめられるきっかけなんてどこにでもある。



わたしだって思ってもみなかったところから始まった。



ただ、いじりの度が過ぎたリサ達を注意しただけで。



わたしが助けた子は今は見て見ぬふりで毎日過ごしている。



リサ達がいない時は心配そうな目を向けるけれどその程度の中途半端な優しさなら要らない。



誰の言葉も無視して、過ごしている。



何もいい事なんかないけれど、あと半分、高校生活を我慢すれば終わる。



「斉藤さん、もうホームルーム始まりますよ、入りなさい」



事情を知らない担任にも笑いが込み上げる。



黙って教室に入ると、机の上に汚された本があった。



安いからいいんだけど。



あんまり面白くなかったし。



連絡事項を聞き流して本をめくっていると、普通の女子なら傷つきそうな言葉が並んでいた。



ほんと、暇だなあ。



ちらっと前の方を見ると、リサがマナやカノンと笑っていた。



こんなもので傷つくって思ってんのかな。




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