名前を呼んで、好きって言って

春木君は満面の笑みでそれを食べる。
どうやら満足してくれたらしい。


ほっとしていたら、上から手が伸びてきて、クッキーを一枚取った。


「え、柊斗さん……?」


柊斗さんは勝手に取って、勝手に食べた。


「柊斗、秋保のクッキー勝手に食べるなよ」


柊斗さんは春木君の言葉を無視して、口を動かしている。
少し幸せそうな表情に見えるから、気に入ってくれたらしい。


それにしても、柊斗さんは甘いものなんて食べないと勝手に思っていたから、予想外の行動に戸惑いが隠せない。


「柊斗は甘党なんだよ」


……なんと。


柊斗さんは、ギャップの塊じゃないですか。


クールで冷たい人かと思えば、優しくて悪ふざけが好きみたいで。
全然喋らないけど、ときどき見せる小さい動きが可愛くて。
今度は甘いもの好き。


あとは試合であれだけかっこいいところを見せていたのだから、これから柊斗さんは女子人気が出そうだ。


「そうだ、秋保。今日打ち上げ行かない?」
「打ち上げ?」


相変わらず唐突だけど、そろそろ慣れてきた。


「いいね、打ち上げ。行こうよ、秋保ちゃん」


春木君の提案に清花ちゃんが乗り、それが伝染していくようにみんなが賛成した。
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