名前を呼んで、好きって言って
「できれば会いたくない人たちがいて……会ったらどうしようって、不安で……」
「なるほどね」
清花ちゃんはそれだけで、詳しくは聞いてこない。
「ま、月城がいれば大丈夫でしょ」
清花ちゃんも同じことを思ったようだ。
やっぱり柊斗さんの存在感は最強だ。
「あ、でも、楽しみなのは本当だからね。清花ちゃんたちと遊びたいって思ってるからね」
みんなと遊びたくない言い訳だと勘違いされたくなくて必死になると、清花ちゃんは口角を上げた。
その笑い方は姉御と言うに相応しくて、清花さんと呼びたくなってしまう。
「わかってる。ほら、早く食べて翔和たちの応援に行くよ」
清花ちゃんに急かされて、私は机に並んでいるものでお腹を満たす。
私のクッキーはというと、結構評判がよかった。
「秋保ちゃん、お菓子作り得意なんだね」
「他には何か作れるの?」
清花ちゃんがお手洗いに行き、一人で移動をしていたら、二人のクラスメイトに話しかけられた。
「ケーキはよく作るかな」
「ケーキ!」
「女子力の塊だね」
お菓子作りができて褒められたのは初めてで、嬉しかった。
「……ブラウニー」
急に後ろからその単語が聞こえてきて、私たちは勢いよく振り返った。