この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「地図アプリでナビされても迷うようなヤツが、ひとりで戻れるとは思えない」
そう言われたら、ますます返す言葉が見つからない。
「だから俺も一緒に行く。離れるとか、寂しいし」
手をギュッとされたら、それ以上もう反論なんてできなかった。
そ、それに寂しいとか……。晴くんもそんなふうに思うことがあるんだ。さっきまでのモヤモヤが軽くなっていく。私のこと、ちゃんと大事にしてくれてるよね。それなのに佐々野さんに嫉妬して、勝手に沈んでいた。
「ごめんね、晴くん」
身勝手でワガママな自分。晴くんといると醜い部分が出ちゃう。
「謝るなって。それより、なに落としたんだ?」
「それは……ヒミツ!」
「言ってくんなきゃ、探せないだろ」
「大丈夫、目星はついてるから」
手を繋ぎながら混雑した駅に戻ってトイレを念入りにチェックした。だけど、それらしい袋は見当たらない。頻繁に清掃されてるみたいだから、もしかしたら拾った人が届けてくれているかもしれないと思ったけど、駅の忘れ物センターには届けられていなかった。
「そんなに落ち込むなよ。俺が新しいの買ってやるから」
「い、いいよ。だって、それは晴くんのプレゼントだもん」
「え?」
「私、バカだよね……そんな大事な物を落としちゃうなんて」