KANATA~answers of your selection~
「ああ、嫉妬しちゃう」



周りに誰もいなくなったのをいいことに、辻村は大声で呟いた。



「だから未夢は...」


「私のことは名前で呼んでくれないのに、みゆって呼んでるんですね」


「だって未夢は幼なじみだから。別に付き合ってるわけじゃないけど」


「付き合ってなくてもいただけませんね、それは」



困った後輩だ。


どんだけオレを振り回せば気が済むんだ?


振り回されてばかりじゃいられない。


オレもはっきり聞くんだ。



「辻村に聞きたいことがある」


「なんですか?」



挑発的な目がオレの鼓動に訴えかける。


こんなので怯んでいられない。


動揺なんて吹き飛ばすんだ。



「辻村はさ...その...オレのこと本気で好きなの?」


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