オシャレって怖い?〜魔法使いと冒険へ!〜
「漫画ではすごく豪華な衣装だったんだけどな〜」

漫画のクレオパトラの着ている衣装を見て、小学生の頃目を輝かせていた自分が恥ずかしい。そうだよね、暑かったら意味ないよね。

「じゃあ、次に行こう」

先生に次に連れて行かれたのは、古代ローマ。古代ローマの服装といえば、絵で見たことがある。トガという長い布を巻き付けたーーーってあれ?

「なんか、絵で見たよりも小さい?」

道を歩く男性たちのトガは、イメージと全く違う。首を傾げる私に先生が言った。

「トガは、暑くて着崩れしやすくて大変だったんだ。だからトガはだんだん小さくなって、公式な場でも着用しなくてよくなった。そのうちベルトもなくなってただのロングTシャツになったんだよね」

先生はあたしを見つめる。その目はあたしの顔をジッと見た後、折り曲げて膝が完全に見えているスカートに移った。

「住んでいる気候に合わせて服は作られている。今日本は寒いんだから、莉緒はスカートを伸ばすこと!いいね?」

そうきたか……。でも頷くことなんてできないよ。綺麗な足を先生に見てもらいたいのに……。
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