くちびるが忘れない
「こっち?」
矢野将太郎は顎でマンションを示した
『はい。わざわざ送っていただいてすみませんでした…』
私が話してる間にサッサと車を降りた矢野将太郎
グルッと回って助手席のドアを開けた
えっ…
早く降りろって事?
迷惑かけてるってわかるけどそんなにあからさまにしなくても…
『すみません。気をつけて帰ってくだ…』
「部屋の前まで送る」
グッと背中を押しマンションに促される
『や、矢野さん?ここで大丈夫です』
「もう2時過ぎてるし喋るな」
確かに私の声は響いていて
でも部屋の前って!
矢野将太郎が甲斐さんにした食っちゃう発言もある
マンションの入口
EVホール前
何度も断っても聞く耳持たず
けっきょく本当に部屋の前まで送ってきた
私がお願いした訳じゃないけど送迎って形になってしまった
ちゃんとお礼言わなきゃね
フゥ…
『今日は車に何度も乗せていただいて…』
「嫌々でな」
『…ご迷惑おかけして申し訳…』
「…奈生」
ドキッ
反応して顔をあげちゃった
薄暗いマンションの廊下で矢野将太郎の顔は半分影になっている
矢野将太郎は顎でマンションを示した
『はい。わざわざ送っていただいてすみませんでした…』
私が話してる間にサッサと車を降りた矢野将太郎
グルッと回って助手席のドアを開けた
えっ…
早く降りろって事?
迷惑かけてるってわかるけどそんなにあからさまにしなくても…
『すみません。気をつけて帰ってくだ…』
「部屋の前まで送る」
グッと背中を押しマンションに促される
『や、矢野さん?ここで大丈夫です』
「もう2時過ぎてるし喋るな」
確かに私の声は響いていて
でも部屋の前って!
矢野将太郎が甲斐さんにした食っちゃう発言もある
マンションの入口
EVホール前
何度も断っても聞く耳持たず
けっきょく本当に部屋の前まで送ってきた
私がお願いした訳じゃないけど送迎って形になってしまった
ちゃんとお礼言わなきゃね
フゥ…
『今日は車に何度も乗せていただいて…』
「嫌々でな」
『…ご迷惑おかけして申し訳…』
「…奈生」
ドキッ
反応して顔をあげちゃった
薄暗いマンションの廊下で矢野将太郎の顔は半分影になっている