始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から
オーナーとの約束の時間になった。


私は、美容院までマンションから向かい、悠人は、仕事先からスーツ姿で直接来てくれた。


『ごめんね、来てもらって…』


『当たり前のことだろ』


この人…


本当に、モデルになった方がいいよ…


私服もオシャレだけど、スーツは、悠人の持つ大人の男性の魅力を、最大限に活かしている。


『かっこいい…』


思わず、悠人には聞こえないような小声で、つぶやいてしまった。


私達は、2人一緒に店に入った。


私が、アシスタントの頃からお世話になってるオーナーが、待っていてくれた。


ご主人を亡くしてから、小さな店を切り盛りして来た、優しくて元気な、私にとっては2人目のお母さんみたいな人。


小柄で丸々した可愛らしい雰囲気。


『よく来てくれましたね。こんな店にすみません』


オーナー、いつもより、少し丁寧な言葉遣いだった。
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