極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
食事は晩酌へと変わり今は午後11時。
まだまだ寝る気のない父に付き合わされ休む暇もない紀子さんと叶。
武雄さんはいつも父の晩酌に付き合ってるが、家政婦だからといってこんな時間まで家の者に付き合う必要は無い。
「紀子さんもう休んで下さい。叶ももう休め。こんな時間まで父に付き合わなくていい」
「あ、はい…」
「えーまだいいじゃん!叶!お酒注いで」
叶と同い年だが先に二十歳になった風雅は調子に乗って酒を煽り空になったグラスを揺らして見せる。叶は素直に従おうとするから俺が止めた。
「風雅の言うことは聞かなくていい」
「あ…」
「えーなんでだよ!叶は家政婦だろ?俺の言うことも聞いてよ」
「俺の家政婦だ。勝手にこき使うな」
「えーー!」
「ほら風雅お前飲みすぎ。もう止めとけ」
まだ不平を言ってる風雅は和泉に宥められ、その間に困惑してる叶をリビング横の彼女の部屋に押し込めた。
「これからも父達の事は気にせず先に休め、いいな」
「あ、あの流星さん…」
何か言おうとした叶を無視してドアを閉めふり返った。
分別ある和泉はいいとして…いい歳してお調子者の父と向こうみずな弟。この二人が我が家に押しかけてくるとは。先が思いやられる。
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