極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
日本人デザイナーのアキミツヒトのショップ、desire(デザイア)では、風雅さんの服をコーディネートしてみたり小物も充実していて色々手に取ってみたり、風雅さんとのお買い物は思いの外楽しくていつの間にか笑顔を取り戻していた私は、とても気に入ったワンピースを見つけた。風雅さんが試着してる間に鏡の前で体に当ててみて素敵…と呟く。シャッとカーテンが開く音がして風雅さんが出て来て慌ててそのワンピースを戻した。
「どお?」
「とっても素敵です!」
風雅さんはやっぱりモデルのようにカッコよくて何を着ても似合う。
「そ?じゃあこれと、さっき着たのも全部買うから」
ショップのスタッフさんにそう言うとそのまま着ていくそうでタグを切ってもらう。私はそれを呆然と見ていた。
確かどの服も桁が一つ多かったはず。さっきの気に入ったワンピースだって15万と値札が付いていて、とてもとても私の買える代物じゃない。それを躊躇せずにさらっと買ってしまうなんて、一式いくらなのだろう。考えるだけで血の気が引く。さすがは高槻家の御曹司と関心せざるを得ない。
「あ、叶、支払いしてくるから先に店に出てて」
「はい…」
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