極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
言われるがまま通路の広いフロアで待ってると風雅さんは手ぶらで出て来た。
「あ、あの、荷物は?」
「ん?家に届けるように頼んだ」
「そうですか」
そんなことまで出来るんだ、と、荷物持ちをする気満々だった私は拍子抜けした。
その後もあちこち風雅さんに連れられるままウィンドウショッピングを楽しんだ。
あづま堂の前に差し掛かったとき、そうだ、皆さんにお菓子を買っていこうと風雅さんに言って店内に入った。
「おや、今日はまた珍しい奴がいるな」
「あ、斗真さんこんにちは」
「斗真さん久しぶり〜」
店頭に立ってた斗真さんが珍しい組み合わせだなと私たちを交互に見る。「今実家がリフォーム中で一家でリュウ兄のところに泊まってるんだ」と風雅さんが言うと、よく流星が了承したなと笑っていた。
「今日は何にする?」
「この間は流星さんの帰りが遅かったのでお菓子食べ損ねたんです。だから前と同じ花弁衣を、ええと、7個お願いします」
もちろん食べ損ねた花弁衣は私が美味しく頂いた。とっても美味しかったから皆さんにも食べてもらいたかった。
人数が増えたから何人分だろうと考えつつ答えると風雅さんが思わぬことを言った。
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