極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい

「それに、俺が食べないと叶も食べられないだろ？」
「う…それは…」
確かにあづま堂の和菓子は高級で自分で買って食べるには躊躇する。それを流星さんは私の分も買っていいと言ってくれていて、それによく半分くれるのでおこぼれをもらってる形だ。
「叶が美味そうに食べてるのを見るのも一興だから、これからも和菓子を買って来ていいからな」
「そんな、私の顔を見るために食べてるんですか？」
そんな風に見られてたなんて知らなくて、どんな顔して食べてたか考えると恥ずかしい。頬が熱くなるのを感じてお盆で隠した。
それを見てまた流星さんは笑い出す。
「もう…流星さんは意地悪です…」
お盆の影に隠れて文句を言うとぐいっとお盆が引っ張られて間近に流星さんの顔が出て来て驚いた。
「誰が意地悪だって？どの口が言ってるんだ？」
「い…いひゃいでふ」
キラリときらめく瞳は細められニヤリとした流星さんにむにっと頬を摘まれ上手く喋れない。
「ん？なんだって？ちゃんと喋らないと聞こえないぞ？」
「うう〜ごえんあしゃあ〜い」
両頬摘まれむにむにされて私は降参の悲鳴を上げた。それをまた楽しそうに流星さんは笑うのだ。その屈託ない笑顔が眩しくて、私は痛みも忘れて魅入ってしまう。