極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
シーンと静まり返った中、気まずくて頭を上げられないでいると、くくくっっと笑い声がする。
そ~っと頭を上げると流星さんは口元を押さえ笑っていた。
「流星さん?」
「くくっ、今日やけに神妙な顔してると思ったが、そんなこと気にしてたのか」
そんなことって!
私は随分悩んでいたというのに当の本人はいかにもどうでもいいことと言わんばかりに笑った。
お陰で私は面白くなくてつい頬を膨らます。
「そんな笑わなくても…。嫌いなら嫌いと言って欲しかったです」
「ま、確かに好きでは無いが食べれない訳じゃない。わざわざ言うことでもないだろう」
腕を組み見上げてくるその瞳が強く光ってニヤリと口元を上げる流星さん。
「どうせ斗真に言いくるめられたんだろうし、俺に聞かずにそれを真に受けたのは叶だろ?」
「はい、そうです…」
ぐうの音も出ない。流星さんに甘い物お好きですか?と、一言聞けばよかったのに聞かなかった私が悪い。2年近くも一緒に住んでたというのに情けない、と、しゅんと肩を落とす。
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