極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
甘い物事件のこともある。はっきりと流星さんが似合ってないと言ってくれたらこのワンピースはお返ししよう。買ってくれた風雅さんとお店には申し訳ないけれど。
「…似合ってるよ。叶、みんなといて楽しそうだな」
「え?…はい。大家族みたいで楽しいです」
似合ってると言われてホッとして緩んだ顔で返事した。流星さんは、そうか、と言ってまた書斎に行ってしまった。
「あの、流星さんはどうしたんでしょう?」
振り返ってみんなの顔を見回すと気にしてない旦那さまと風雅さん。武雄さんと紀子さんは苦笑いでも何も答えてくれなかった。
「叶、またデートしようぜ!そのワンピース着てさ」
「はあ…」
流星さんが気になって曖昧に返事をした。
やっぱり似合ってないのに無理して似合ってると言ってくれてるのだろうか?無理して甘い物を食べてくれたあたりそれもあり得る。
それとも他に気に触る事をしてしまったのだろうか?それならそうと言って欲しい。
流星さんの態度に一喜一憂してしまう私は書斎に行く勇気もなく不安でたまらなかった。

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