極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい
畳敷の教室に入り他の生徒さんと挨拶を交わして早速着物を広げる。
アメリカ人だった流星さんのお母様は日本をこよなく愛し、着物は勿論お茶やお花も嗜む風雅な方だったらしい。
まき乃さんの着付け教室に通ってると流星さんに話したところ使うといいと言ってお母様の着物を3着と小物一式を突然持ってきた。恐れ多かったけど仕舞われてるより誰かに着てもらったほうが着物も喜ぶと言ってくれて有り難く使わせてもらうことにした。
今日持参した淡い桃色に桜や牡丹の花があしらわれた上品なお着物は素敵でうっとりしてしまう。
「あなたこれ、加賀友禅じゃない?」
「え?あ、そうなんですか?」
「え?知らないで持ってるの?信じらんない」
「お借りしてる物なので…」
声を掛けてきたのは同じレジデンスに住んでいる伊集院財閥のご令嬢薫子様。
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