あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「じゃあな。」
「ありがとうございました。」
「こちらこそ。」
先輩の車から降りて私のアパートの前。先輩は運転席から顔を出している。
「ゆっくり休めよ」
「はい。」
「じゃあな」
先輩がそう言って窓を閉めようとする。
「先輩」
「ん?」
私はそっと開いている助手席に水族館の袋を置いた。
「今日のお礼です。」
「ん?」
「あとで見てください。」
「いつの間に?」
「内緒です。」
先輩が不意打ちのプレゼントに視線を移している間に私は「じゃあ、おやすみなさい」と振り返って自分のアパートの入口へ歩き出した。
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