あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「・・・ん・・・」
つわりがひどくて少し頬が痩せてしまった。

特に朝と夜がひどいみたいで夜中に何度か起きていることを知っている。

今夜だけでも朝までぐっすり眠れるように・・・そんなことを願いながら知佳の頬に触れていた手を知佳のお腹にうつす。

ママをそんなに苦しめないでくれよ。ゆっくり寝かせてやってくれ。

そんなことを知佳のお腹の中の我が子に向かって話しかける。

知佳は頑張り屋で、仕事を休もうとはしてくれない。
責任感があって、それだけ取引先の相手にも信頼されていることや評価につながっていることはわかる。でも、心配だ。本当ならずっと一緒にいて目に見えるところで手の届くところでいてほしい。

「・・・っ」
突然知佳が体を起こしたかと思うとものすごい勢いでトイレに駆け込んでいった。

俺の願いはむなしく今夜もつわりが襲って来たらしい。
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