君はアイドル
こんな黄色のTシャツ二度と着ることないだろうな。
と思いながら地下二階まで階段を降りていった
ライブハウスの周辺に同じTシャツを着た人が沢山いた。
何も知らない僕は色々と驚いた。
高校生くらいの女の子や、ご年配の男性、ドン⚫前でたむろしていそうな若いお兄さん、仕事帰りであろうスーツ姿のサラリーマン…
チェックシャツをジーンズにINし、ハチマキをまき、デュフフと言った笑いをする人が圧倒的に少ない。
「なんか、思っていたのと違う…。あのお花も凄いですね…開店祝いより豪華だ…」
風船やぬいぐるみ、写真まで飾られた僕よりもずっと高いスタンドフラワー。
「そうだろ〜!女ヲタの協力も経て全力で可愛くしたんだ〜!感動しただろ?」
「凄いなあ…。綺麗…。」
「会場内もこだわったから楽しみにしててね!ちょっと挨拶行ってくるからドリンク交換なりなんなりしてて!あと30分くらいで始まるから!」
「え!?あ、おいていくかんじ!?30分もあるんですか!?いやあの、えっと、分かりました…また後で…」
そう言うと、鈴木先輩は僕達よりも一回り以上歳上であろう人と何やら難しい会話をしにいってしまった。