【短】チョコプリンセス〜甘い甘い誘惑に勝てはしない〜
「楽斗、チョコレート欲しいの?」
「うん」
それは、私のだから…?
なんて、聞けなくて。
抱き締められて赤くなった顔を見られたくないから、うつむき加減でこう聞いた。
「なんで、手作りしようとしてたの知ってるの?」
「昨日愛咲ちゃんが本屋でお菓子のレシピ本買ってる所見たってヤツがいたから…」
あー…あのストーカー男子か………。
私は一人納得して、楽斗の手を離そうとする。
「まぁ………とりあえず、この手は離そ?」
「まだ、ぎゅーってしてたいのに」
「…っ。楽斗、キャラなんか変わってない?」
「それは………、…」
口ごもる楽斗の顔は見たこともないような、表情で…。
「とにかく!愛咲ちゃんのチョコレート…期待してるから」
と言って、漸く開放された。
なんでこいつは、こんなに愛しいことをしてくれちゃうのか…。
そんなことされたら、勘違いしてもっともっと意識しちゃうのに…。
好きがあふれて、どうにも出来なくなるの、に…。