【短】チョコプリンセス〜甘い甘い誘惑に勝てはしない〜

そんなこんなで放課後はすぐにやって来た。
こういう時だけ、時間が早く感じられるのはどうしてだろうか………。

でも、いざ二人きりのなると、緊張のせいかのどがカラカラになって、上手く言葉が出て来ない。

「……、…」

「愛咲ちゃん、顔怖いけど…大丈夫?具合い悪い?」

「うん?あー…大丈夫!」

「そ?ならいいんだけど…」


頑張れ、私!
負けんな、私!


「あのさ、あの…楽斗?」

「なぁに?」


楽斗は相変わらず、落ち着いている様子。
私はしどろもどろになっていく言葉の欠片を、どうにかまともに収集しようと、深呼吸をする。


「愛咲ちゃん?」

「楽斗…チョコレートの件、なんだけどね?」

「……うん」


心なしか、楽斗の顔に緊張感が走ったような気がする。


「き、今日…今日渡してもいい?」

「……、、………え?」

思いがけない私の提案に、数秒間フリーズする楽斗。


「だ、駄目ならいいの!!…ただ…誰よりも先に楽斗にチョコレート渡したくて…明日になっちゃったら楽斗…皆からもらうだろうし…って、うわっ」

そこまで告げたら途中でくんっと引き寄せられて…気付けば楽斗の腕の中。


< 20 / 24 >

この作品をシェア

pagetop