【短】チョコプリンセス〜甘い甘い誘惑に勝てはしない〜
そんなこんなで放課後はすぐにやって来た。
こういう時だけ、時間が早く感じられるのはどうしてだろうか………。
でも、いざ二人きりのなると、緊張のせいかのどがカラカラになって、上手く言葉が出て来ない。
「……、…」
「愛咲ちゃん、顔怖いけど…大丈夫?具合い悪い?」
「うん?あー…大丈夫!」
「そ?ならいいんだけど…」
頑張れ、私!
負けんな、私!
「あのさ、あの…楽斗?」
「なぁに?」
楽斗は相変わらず、落ち着いている様子。
私はしどろもどろになっていく言葉の欠片を、どうにかまともに収集しようと、深呼吸をする。
「愛咲ちゃん?」
「楽斗…チョコレートの件、なんだけどね?」
「……うん」
心なしか、楽斗の顔に緊張感が走ったような気がする。
「き、今日…今日渡してもいい?」
「……、、………え?」
思いがけない私の提案に、数秒間フリーズする楽斗。
「だ、駄目ならいいの!!…ただ…誰よりも先に楽斗にチョコレート渡したくて…明日になっちゃったら楽斗…皆からもらうだろうし…って、うわっ」
そこまで告げたら途中でくんっと引き寄せられて…気付けば楽斗の腕の中。