【女の事件】黒煙のレクイエム
第4話
それから1ヶ月後のことであった。

中学3年生の生徒たちは卒業後に進学をしたい高校を決めて、高校入試に合格をすることを目標に受験勉強のプランを立てて受験勉強に打ち込んでいた。

しかし、アタシは中学卒業後は体を休めるために療養をしようと決めていたので高校入試を断念した。

この時アタシは、学校の授業の内容が全く分からないので、気持ちがイラッとしていた。

みんなは進学をしたい高校を決めて入試に向けてがんばっているのに…

どうしてアタシだけは…

行きたい高校を決めることができなかったのか…

お父さんは、行きたい高校が決まったら報告をしなさいと言うけど…

ムジュンしているわよ…

ところ変わって、浪板にある父が勤務をしているかんづめ工場にて…

父は、毎日段ボール箱をおりたたんで箱を作ることと箱の中に完成した製品を2ダースずつ箱詰めをして行く仕事を繰り返して、毎月16万円のお給料で生活をしていた。

父は、かんづめ工場に再就職をしてからは与えられた仕事をこなして、安月給に文句を言わずに人のために役に立つのだと思いながらまじめに働いていた。

お昼は、お給料引きで注文をしたお弁当で栄養を摂っていた。

ところ変わって、休憩室にて…

父は、ひとりぼっちでお昼のお弁当を食べていた。

ひとりぼっちでお昼のお弁当を食べている父に、工場の社長さんは『一緒にお昼のお弁当を食べませんか?』と優しく声をかけた。

「A彦さん(実父の名前)。」
「何だよ…何をしに来たのですか!?」
「何をしに来たって…A彦さんがひとりぼっちでお弁当を食べているのはさびしいと思うから一緒にお弁当を食べませんかって言っているのだよ。」
「ひとりにしてくれよ…」
「まあそう言わずに…A彦さん…向かいの席に座るよ。」

社長さんは父にこう言うた後、父が座っている向かいの席に座った。

社長さんは、お弁当のふたをあけておはしでお弁当の中に入っているきんぴらごぼうをつまんで大きな口をあけて食べながら『家庭生活は楽しいかな?』とか『家族が助け合って仲良く暮らしているか?』などと言うていたので、父はますますフキゲンな表情になっていた。

この時父は『ギンゾウがうちの前をうろうろしているのでどうにかしてくれ!!』と怒った口調で言ってたので、社長さんは困った声でこう言うた。

「ギンゾウくんのことについては私も厳しい声で『しゅうかさんに近づくな!!』と言うているけど、言うことを聞かないから困っているのだよ…」
「だったら、2倍3倍…いや…100倍厳しく言わないとダメですよ!!」
「A彦さん…気持ちはわかるよ…しゅうかさんが胎内にギンゾウくんの赤ちゃんを身ごもっていたこととギンゾウくんをやくざ稼業と絶縁することなど…ギンゾウくんが出入りをしていたやくざの組長さんは話が分かる人だったからギンゾウくんの絶縁を認めた…ギンゾウくんが立ち直ることができるようにと思って、喜多方のラーメン屋さんの大将にお願いをして…ギンゾウくんを一からきたえなおしてほしいとお願いをしておいたから住み込みでラーメン屋さんで働くように…もう一度一からきたえなおしてこいときつく怒鳴り付けて…2度としゅうかさんに近づきませんと言う書面を公正証書にして…書面に名前を書いてなついんをさせたのだよ…私だって、労力をたくさん使ったのだよ。」
「それじゃあ、何でギンゾウは気仙沼へ帰ってきたのですか!?書面に名前を書いてなついんをしたのに…どうしてうちの近辺をうろうろしているのか…それが分からないからイラついているのだよ!!」
「A彦さん…私もね…ギンゾウくんがA彦さんの家の近辺をうろついている問題について困っているのだよ…ギンゾウくんの実家のご家族にも…ギンゾウくんのカンドウを解くようにお願いをしているけど…実家の家族がかたくなになっているので、困っているのだよ…」
「ギンゾウを甘やかすのもいいかげんにしてくださいよ!!社長さんがなにもしないのだったら、チャラ男はオレが始末する!!場合によっては殺すことも視野に入れるので…あんたは口先だけで信用できない!!」

父はこう言うてお弁当をだいぶ残した後、休憩室から出ていった。

その頃であった。

アタシは、また学校を早退をした。

アタシ…

今日までの間に…

何回学校を早退したのかな…

忘れてしまったわ…

アタシが家に着いた時であった。

この時、義母の元カレのギンゾウが家に来ていた。

アタシは、義母とギンゾウが大声をはりあげて大ゲンカをしていたのを玄関の戸ごしに聞いていた。

ギンゾウが生まれたばかりの赤ちゃんに会いたいと言うていたことが義母の怒りをさらに高めたので、チジョウのもつれがさらにひどくなっていた。

「あのね!!あんたは(赤ちゃん)を抱っこしたいと言うけれど!!あんたは赤ちゃんを抱っこする資格なんか最初からないのよ!!それなのにどうしてうちに土足で上がり込んでくるのよ!?帰んなさいよ!!アタシが帰んなさいと言っているのだから帰んなさいよ!!」
「帰るよぉ…だけど…このままでは喜多方へ帰ることができないのだよぉ…」
「何を女々しいこと言うてるのかしら!!あんたは赤ちゃんを抱っこする資格どころか、結婚をする資格もなくなっているのよ!!やくざの事務所に入りびたりになって、バクチばかりしていたから赤ちゃんを抱っこする資格や結婚をする資格がないと言うことなのよ!!アタシが言うていることがゼンゼンわかっていないみたいね!!帰んなさいよ!!帰んなさいと言うているのに居座り続ける気なのかしら!?」
「居座る気はないよ…一目だけでもいいから(赤ちゃん)に会いたいのだよ…しゅうか…この通りだ…(赤ちゃん)を抱っこすることができたらまたがんばるから…」
「あんたの言うことは口先だけなので信用できないわよ!!」
「しゅうか!!」
「あんたね!!今すぐに喜多方へ帰りなさい!!」
「喜多方へ帰れ…分かったよ…喜多方へ帰るから…せめてその前に…」
「うるさいわね!!いいわけばかり言わないで喜多方へ帰りなさい!!喜多方のラーメン屋さんで地道に働きなさい!!あなたはまだ見習いでしょ!!店の大将の言うことに素直にしたがいなさい!!分かっていたら返事しなさいよバカチャラ男!!虫ケラ!!」
「はいと言えばいいのだろ!!分かったよ!!喜多方へ帰るよ!!しゅうかはオレのことを虫ケラ以下だと言いやがって…チクショー!!チクショー!!チクショー!!」

ギンゾウは、義母から言われた言葉に腹を立て、玄関のドアをバーンと閉めた後、『チクショーチクショーチクショーチクショー!!』と泣きわめきながら走って行った。

アタシは、泣きわめきながら走って行くギンゾウを冷めた目付きでにらみつけていた。

情けないわね…

ギンゾウは忍耐力がとぼしい上に…

与えられた仕事に文句ばかり言って…

目上の人にたてついてばかりいるから…

またやくざ稼業に戻ってしまうのよ…

ギンゾウは弱い男で意気地無しよね…

アタシは、しばらくしてから家の中に入った。

アタシが家の中に入った時、義母は赤ちゃんを抱いてくすんくすんと泣いていた。

アタシは、義母とギンゾウのせいで高校の受験勉強ができなくなったので、やめることにした。
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