Ⓒランページ
僕は大人になってからキミを殺そうと考えていた。そのための準備をする時間は十分にあったし、こういうことは時間をかけて確実にしたかった。
しかし、アリスの意識が日に日に薄れて不安定になっていくことに気づいた。一時的に脳内に留めることはできても、やはり人は死からは抗えないのだろう。
時間がない。今すぐにでもキミを殺さなければ。
そのために、僕は狂ったように能力を磨いた。脳内でパソコンを操れるようになったのもその頃だ。遠隔操作でキミの脳内をいじることを試みた。なかなか上手くはいかなかった。
それが不安定ながらできるようになった頃、僕はキミを殺すための計画を本格的に始動した。
夢の中に潜在的にある本能の部分をいじって、キミがあのアプリをインストールすることや、そのアプリ内で男と出会うように仕向けた。
そして、男と仲良くなった頃に、僕はアプリ内でキミに近づき、また本能に呼びかけて、東京へ来るように仕向けた。
あとは、キミの脳内から愛する男の存在そのものを抹消し、キミが男との待ち合わせ場所に現れたところで、キミに荷物の詰まったボストンバッグをあえてぶつけて、それが元でキミは頭を打って死んでしまう。朦朧とする意識の中、僕はキミに言ってやるのだ。
「これが復讐だからね?」と。