Ⓒランページ
手頃なベンチを見つけて腰掛けた。すると、公園の入り口から全身黒コーデの男がやってきて、キミのベンチの横、ではなく前で立ち止まった。
「月を迎えたね」
男の問いにキミは「そうですね」と緊張したのか、何ともぶっきらぼうな返事をしていまい、慌てて「昨夜よりも人が気持ち多いような気がします」と付け加えた。
「そうだな。今日は金曜日で明日は学校や会社が休みだから夜更かしする人が多いんだろう」
「そうですね」とキミが言うと、男はキミの隣に座った。
「ところで、どうして敬語なんだ?」
そう男から言われてキミは初めて自分が敬語であることに気づいた。
「ホント、なんでだろ。私の方があなたより2つも歳上なのにね」