極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な愛し方
ナツ君と同居するってほんと!?
お姉ちゃんはうるさい私たちをぽいっ、と隣の部屋に追いやってしまった。
自分はもう出かけるからって。
また匠君とこに行くんだ。絶対帰ってきてね、お泊まりしないでね、ってお願いしちゃった。
だってナツ君が青山一佳だった上に、私は人見知りなんだもん。
彼がこれから住む部屋はずっと空いてたゲストルームで家具は一通り揃ってる。
いつの間にかお姉ちゃんが掃除もすませていたみたいで、もういくつかの段ボールが置いてあった。
お姉ちゃんがいなくなったら急に気まずい。だって今私は青山一佳と同じ空間にいるってことでしょ?
まずは一佳君とナツ君が同一人物だという現実を受け入れないと普通に息もできない気がする。
「あのぉ、一佳君じゃなくてナツ君て呼んでいいですか?」
「那月って呼べば?」
うん。無視しよう。
でも慣れるために敬語はやめた方がいいかな。
「ナツ君めっちゃ痩せたよね? で、すっごく背が伸びたんだね。忙しいお仕事だから手紙書くのはしんどかったんじゃない? 駅では全然気づけなくてごめんね? 撮影はどの辺りであるの? あっそういえばね」
しゃべり倒してしまうのは緊張してるから。気まずい空間をどうにか口数で埋めようと必死なの。
次は何を言えば……。
頭を抱えていたら、ナツ君は一歩前に出て私の顔を覗き込んだ。