極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
「美織ちゃんお茶もらうね」
「飲みな~、外寒かったでしょ」
バケハを取ったら黒髪がはらはらとこぼれた。
透け感があってきらきらの艶々。
ふわっと空気を含んで柔らかそう。
センターパートにした長めの前髪が目にかかる。何気なくかきあげる仕草に、釘付けになる私。
それに気付いて「ん?」って顔。
それだけで息が止まりそうになった。
「紗知、大丈夫?」
「え? あ、うん」
「俺が那月だってちゃんとわかってる?」
顔の前で手をひらひらされてもすぐには信じられないよ。
だって彼はドラマや雑誌の中の人。
みんなの憧れの芸能人。
そんな人のどこに癒し系ナツ君の面影を探せばいいの?
ふんわりほっぺはどこ?
部屋着に愛用してた緑ジャージは?
食いしん坊のナツ君は?
ひどいよ。
部活は手芸部って言ってたけどそれも絶対嘘だよ~。