極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
「どういう経験値を積んだらこんなに大人っぽくなれるの? 顔の良さだけじゃ無理だよね」
「顔もだけど、男子って感じの骨格がたまんないんだよね」
「そっか、すらっとしてるのに意外と骨太で筋肉質なんだ」
「うん、だからなんでも着こなせちゃうのかも。指先までイケメンが詰まってる」
「さすが蘭ちゃん、語彙力ある~!」
「褒めるのはそこじゃないでしょ」
蘭ちゃんは「次のページもくらえ~!」って、ニヤニヤしながらめくったページをこっちに押し付けてきた。
「こんな綺麗な男の子が世の中には存在するんだね」
「なにそのおばあちゃんみたいな感想。やっぱ全然興味ないじゃん」
「蘭ちゃんが桁違いに興味ありすぎなんだよ」
彼がどれだけすごいモデルで俳優で、たくさんの人をメロ甘にとろけさせているかってことはしっかり学んだよ。
蘭ちゃんと一緒にキャーキャー言えたらきっと楽しいんだろうけど、私こと小松紗知は、ファッション雑誌よりマンガ、恋愛映画よりアニメの方が好きな、ちょっぴりオタクな高校生なんだ。
……なんて。
そんな悠長なことを言っていられたのはこの時まで。
それはなぜかというとこの日の帰宅後、これまでの平和な日常がひっくり返るような事件が起こったからなのだった。