極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
だから美織ちゃんと電話で連絡を取った。
「近いうちにそっち行くんだけど一回会える?」
「珍しいね、それ仕事?」
美織ちゃんは一佳として仕事を始めるより前から俺の気持ちを知ってて、紗知の近況なんかを定期的に教えてくれてた。
しかも今回のオーディションのことを話したらホテル代わりにうちを使っていいって言い出した。
「待って、それって紗知と暮らしていいってこと?」
「そういうこと」
一気にテンション爆上がり。天にも上る気持ちになった。
だけど美織ちゃんは落ち着いた声でこう言ったんだ。
「でもね、条件があるよ」
「……なんでも飲むけど?」
美織ちゃんは一転、からかうみたいな口振りになった。
「"主演"が獲れたら、うちに来ていいよ。それ以外の役は却下だからね! あとあの子、ナツ君のこと弟みたいに思ってるからマイナススタートなの大前提だけどそれでもいいの?」
「ガキ扱いなんて今さらって感じだし、最初から主演は獲るつもりでいたよ」
「やだ、わくわくしてきた~。ドラマみたいに楽しませてね、期待してるから!」
プレッシャーはかけられたけど、美織ちゃんが想像以上のご褒美をちらつかせてくれたからこっちは完全にやる気スイッチが入った。
あとは自分をガンガン追い込むだけ。
腹は括った。
俺は絶対紗知に会いに行く。