極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛


で、そのあとすぐに学校に休学届けを出した。


芸能科に通ってるからオーディションに落ちたらすぐバレて「仕事がないくせに休学してる青山やばい」って笑い者になるだろう。でもそれで更に本気になれる。


その強い意思? 野望? 下心? のお陰かオーディションでは鬼気迫る演技が評価された。


そりゃそうだろうね。
ライバルたちも腹の底に並々ならない思いを抱えて挑んでたんだろうけど、こっちは誰よりもそれがでかい自信はあったし。


いい加減、中1の俺(送った写真)が那月じゃないってことを知ってほしいし、今の俺を見てほしいんだ。


そうやって死ぬ気で主演を勝ち取って、ようやく本読みが始まった頃、また花柳紗綾が現れた。


事務所も同じで元々モデル仲間だからこの子と現場で絡むことは多くて、今第3スタジオで撮影をしてるってことは知ってた。


その日は第1スタジオに向かう途中、ローブ姿の彼女がスタジオからふらふらと出てきた。


「あの、一佳君。ちょっと手を貸してもらえないかな」

「もしかして具合悪いの?」

「うん、でもスタッフに言えなくて……ちょっとだけどこかで休憩したい」


モデルが撮影前に体を絞るのは当たり前だし、たぶん彼女も相当食事制限をしたんだろう。

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