極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
バケハを深く被り直し息を整える。
心臓がうるさい。
声をかけたら、小動物みたいにびくっと驚かれた。かなりの至近距離だけどやっぱり気づかないから、もしかしたら青山一佳の存在すら知らないのかも。
でもそんなことより、ものすごく不安そうにしてるのが気になった。
気が動転してんのか顔色は悪いし、手は少し震えてる。今にも泣き出しそう。
どうした? 何があった?
そう聞きたかったけど、うかつには話せないから代わりにココアを持たせた。
ほんとうは俺の手であっためてやりたいけど怖がらせたくない。
でも少しでも安心してほしくて。
紗知の目線の先には金色の王冠が付いた小さな鍵があった。
可愛いノートを見つけたってちょっと前に写真を見せてくれたけど、あれの付属品だ。
だったら俺のやることはそれを取るだけ。
紗知の笑顔を取り戻すだけ。