極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
どうにか鍵を取って渡したら、うっかり手のひらに触れてしまった。
ひんやりと、だけど柔らかい手のひらの感触に息が詰まりそうなくらいドキドキした。
しかも安堵したせいかとんでもない破壊力の笑顔を見せつけられたし。
ほんともう、実物やばいって。
眼鏡の奥のまるい瞳も、風にふわりと煽られる染めたことのない黒髪も、マフラーからのぞく白い頬も、赤い耳たぶと指先も。
寒そうに首をすくめてるのも、まっすぐ目を見てお礼を伝えるところも。
押しつけた俺のアウターに埋もれそうになってんのとか、知らない奴に助けられてそわそわしてるのとか、そんな顔さえたまんなく可愛い。
写真ではわからなかった全てを目の前ではっきりと見てしまって、自分の気持ちを再確認してしまう。
手に負えないこの気持ち、どうしたらいい?
マジやばい。
長居はできない。
焦ってたら電車が来たからとりあえず、それに飛び乗って深呼吸した。
だって胸が高鳴っておかしくなりそうだったから。
帽子もマスクも役に立つもんだな。
俺の顔、すげー赤かったはず。