極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛

急いで部屋に戻ると点滴を打ってもらったようで顔色は戻ってた。気持ち良さそうにすやすや眠ってる。
よかった、焦った……。
誰にもバレないよう、そっと手を取った。


とっくに帰り支度はできてたけど、紗知が起きないなら俺もずっとここにいるから。ていうかずっとここにいさせて。


時間が過ぎて終電もなくなって、美織ちゃんにも連絡がつかなくて片桐さんはホテルを片っ端から当たってくれてる。


大人たちはバタバタしてるけど、俺には至福の時間だった。
だって寝顔見るの久しぶり。
ほんと隙だらけだし、やっぱ可愛い。


この寝顔が見たいから過酷な撮影だって頑張れた。
どんなに寒くてもきつくても、何時間押して夜中までかかっても、帰ったら家に紗知がいるって思ったらなんでもないように思えた。


苦しかったことも痛かったことも虚しかったことも、たった今、全部消えてなくなった気分。


紗知が不意になんか呟いた。
初めて寝言を聞いてくすぐったい気持ちになってたのに、それが俺の名前だってわかったら泣きそうになった。
何度も呼ぶから。
切なくて心臓が潰れそう。


だから目覚めたらそれなりに気まずいわけで。意識して、まともに顔なんて見れなくなるし。
変にカッコつけたりして。


そんな姿見られたくなくて紗知に背中を向けたら、よくわかんない複雑な気持ちがふくらんでった。


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