極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛
『ねこいた』
駐車場で日向ぼっこしている猫。
気持ち良さそうに目を細めてる。
かわいいな~。
平和だな~。
ほっこりしちゃう。
だけど、その後の一文だけがよくわからないんだよね。
『写真を撮ってるのが誰だか当てられたらご褒美あげる』
だって。
長く伸びる影はナツ君に決まってるのに、どういう意味なんだろう。
ナツ君ていうのは私の同い年の幼なじみ。柊那月君のこと。
幼稚園から一緒で小1で引っ越していったけど、お手紙交換を続けていた名残で今もメールやSNSで繋がってるんだ。
最近また思い立って手紙を書いたら律儀に返事だってくれた。私たちはそれくらい仲良し。
おっとり穏やかな性格のナツ君からのメールは、荒んだ心をいつもあったかい気持ちにしてくれる。
おかげで気分の入れ換えができた。
いつまでもマイナス思考に囚われるのはやめないと。
でもノートに潔く鍵をかけてスクバにしまおうと手を伸ばしたその時、いきなり後ろから何かが追突してきた。
仲良くわちゃわちゃしていた他校の男子生徒が私に気付かずぶつかってきて、手に持っていた物をホームにばらまいて、眼鏡だってずれちゃった。
「ごめんね~」
へらへら笑って気まずそうな素振りを見せただけでホームの奥へと行ってしまった。
もうやだなぁ。
せっかく気持ちを切り替えようとしてたのに……。
眼鏡を掛け直して膝の辺りを払った。
制服の下に学校指定のジャージを履いててよかった、足を擦りむかなくて済んだもん。