海の景色が変わる頃には…
私は由香といつものようにお弁当を開けようとすると
由香が心配そうな顔で私に聞いた。

「あれから凌くんとまた何かあったんでしょ?」

びっくりしてお弁当を開ける手が止まった。

「え…?」

「図星でしょ?」

「何で分かったの?」

「だってこの前送ったLIME既読スルーだったし。
何かあったのかなぁ…と思って…既読スルーは全然いいんだけど、何があったの?」

私は由香にこの前見た事を全部話した。

途中で泣きそうになって声が詰まったけど由香は最後まで「うんうん」と全部聞いてくれた。

「…凛はさぁ…これから凌くんとどうしたい?」

話を聞き終わると由香が私に聞いた。

「今まで通り凌と仲良くしたい。
だから、見なかった事にしようかなって思ったの。
今まで通りに接すれば凌もきっと今まで通り私に優しく接してくれるんじゃないかなぁって」

私が言い終わると少し間を空けて由香が話し出した。

「あのね…私、もう凌くんとは別れた方がいいと思うんだ…」

「……」

「これ、凛に言おうかどうか凄く迷ったんだけどね…
凌くん…浮気してるの1人じゃないよ」


「…え?」


由香が何を言ってるのか全然分からなかった。
唖然とする私に由香はそのまま話し出した。

「私もね、凌くんが他の女の子となんて信じられなくてね先輩に頼んで少し調べてもらったの。それで分かったんだけどね、凌くんって勉強もできるし優しいしカッコいいしモテるじゃん?だから結構告られてたみたいでね。でも告った子に『彼女いてもいいなら付き合う』って言ってたんだって。」

「…え?嘘だよそんなの。だって何でその先輩がそんな事知ってるの!?」

「その先輩も少し前に凌くんに告ったんだって。
でもそう言われて先輩は『そんなやつだったんだ…』って急に冷めて断ったらしいんだけど…
凛は凌くんの彼女だし、私も凛と仲いいのみんな知ってるからそんな話聞いたことも無かったけど知ってる人結構いるみたいで…。」

「由香何言ってんの…!?」

その時の私には由香が言ってる事を理解する事が出来なかった。

「…凛が信じたくない気持ちも分かるけ…」
「由香は何も分かってない!!」

私は由香の言葉を遮った。

「だっていくら何でもひどいよ!凌がそんな人じゃないって由香も知ってるでしょ!?
…私、凌に聞いてくる!!」

由香が返事をする前に走って中庭を出ようとすると由香に右腕を掴まれた。

「ちょっと…!!待ちなよ!!少し冷静になろ?」
「でもでもでも…!!凌はそんな人じゃない!!」

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