海の景色が変わる頃には…
次の日
教室に入ると由香が私に駆け寄った。

「凛!!大丈夫なの?無理しなくていいんだよ?」

「大丈夫だよ!昨日由香と話せたおかげ。ありがとう!」

私がそう言い終わったのと同時に教室のドアが勢いよく開いて他のクラスの女子が教室に入って来た。

その子は凌の席まで走って行って机に手をついてニコニコして喋ってる。

「あ!そうだ!」

由香が突然大きな声で言った。

「ねぇ、今日転校生が来るらしいよ!私昨日言ったっけ?」

「え?そうなの?聞いてないよー!」

「男子だって!私昨日職員室でチラっと見ちゃった!」

「どんな感じだった?」

「なかなかカッコよかったよ!うーん…サッカー少年って感じ?」

HRが始まると由香が言った通り転校生が来た。

「高橋健太です!よろしく!」

転校生はみんなの前で挨拶してニカっと笑った。
無造作にツンツンした短い髪にこんがり日焼けした肌。ダボダボのズボンにボタンが全開のカッターシャツ。カッターシャツの下には赤いTシャツ。

うわー…苦手なタイプかも。
仲良くなれそうにない…

「お前ら仲良くしろよー。高橋の席は…おっ!あそこでいいか?」

そう言いながら先生は私の斜め後ろの席を指差した。
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