【完】終わりのない明日を君の隣で見ていたい
「ご、ご、ごめんね。い、い、い、いじめられていたこと必死に隠してた。いい、い、いじめられるような自分が情けなくて恰好悪くて、か、可哀想だと思われることがすごく恥ずかしかった。い、い、い、いじめがバレたら綾木くんに見放される、き、きき、嫌われるって思い込んでた」
理想とは真逆の弱くて可哀想な自分が恥ずかしくて仕方なかった。憐れだと思われたくなかった。
「よ、よ、弱くて臆病だから、あ、あ、綾木くんのこと全然信じてなかったの。ご、ごご、ごめんね……っ」
すると頭を撫でながら涙声で苦笑する綾木くん。
「俺たち失敗ばっかりだったんだな」
綾木くんの言うとおり、お互い相手の一番深いところに入っていかなかった。その勇気がない臆病者同士だった。
「失敗ばっかりの俺だけど、俺のそばにいてくれないか……。俺は、お前が思うよりずっと、お前がいないと生きていけないんだ……」
わたしは綾木くんの体を抱きしめ、壊れたように何度も頷いた。
何度も失敗しよう。君さえ隣にいてくれれば、何度も何度だってやり直せるのだから。