猛獣御曹司にお嫁入り~私、今にも食べられてしまいそうです~
「ああ、……そうなんですか。よろしくお願いします」
完全に戸惑い、それ以上言葉が出てこなくなってしまった。
「お揃いかな」
そこに現れたのはお義父さんだった。洋間に現れたお義父さんは親しげに志信さんに声をかける。
「いやあ、志信さん。久し振りだね。ますます綺麗になった」
「お義父様ご無沙汰しております。お元気そうで何よりですわ」
もう婚約者でもないのに、義父を『お義父様』と呼ぶのに引っ掛かりを覚えつつ、促され私も座る。
「幾子さん、しばらく志信さんと信士くんがこの家に泊まるからね。信士くんの小学校がここから近いんだよな」
お義父さんが孫にでも相対するように信士くんという男の子に話しかける。彼は下を向いたままこくんと頷いた。
「離れの近くの客間を用意するから、夕飯は志信さんたちと食べればいい。三実はいつも遅くて退屈だろう。女性同士水入らずで仲良くやりなさい」
お義父さんは正気でそんなことを言っているのだろうか。
いきなりやってきた息子の元婚約者を家に泊める?しかも今の嫁と近くに配置する?
仲良くなんて本当にできると思ってる?
疑問符がぽんぽん飛び出してきたけれど、義父相手にそんなことは言えない。
「お義父様、三実さんは相変わらず忙しいんですか?」
志信さんが事情を知っている風に尋ねる。
「そうなんだよ。あの朴念仁、志信さんに愛想を尽かされたことをすっかり忘れて、幾子さんに寂しい想いをさせ続けてるんだ。まったく困った息子だ」
完全に戸惑い、それ以上言葉が出てこなくなってしまった。
「お揃いかな」
そこに現れたのはお義父さんだった。洋間に現れたお義父さんは親しげに志信さんに声をかける。
「いやあ、志信さん。久し振りだね。ますます綺麗になった」
「お義父様ご無沙汰しております。お元気そうで何よりですわ」
もう婚約者でもないのに、義父を『お義父様』と呼ぶのに引っ掛かりを覚えつつ、促され私も座る。
「幾子さん、しばらく志信さんと信士くんがこの家に泊まるからね。信士くんの小学校がここから近いんだよな」
お義父さんが孫にでも相対するように信士くんという男の子に話しかける。彼は下を向いたままこくんと頷いた。
「離れの近くの客間を用意するから、夕飯は志信さんたちと食べればいい。三実はいつも遅くて退屈だろう。女性同士水入らずで仲良くやりなさい」
お義父さんは正気でそんなことを言っているのだろうか。
いきなりやってきた息子の元婚約者を家に泊める?しかも今の嫁と近くに配置する?
仲良くなんて本当にできると思ってる?
疑問符がぽんぽん飛び出してきたけれど、義父相手にそんなことは言えない。
「お義父様、三実さんは相変わらず忙しいんですか?」
志信さんが事情を知っている風に尋ねる。
「そうなんだよ。あの朴念仁、志信さんに愛想を尽かされたことをすっかり忘れて、幾子さんに寂しい想いをさせ続けてるんだ。まったく困った息子だ」