きっとシンデレラじゃない
『外にいたので、冷えたでしょ。一緒にお風呂に入りましょう。』

「え。僕とですか?」

『はい、お願いします。僕は先に行ってますので来て下さいね。』


執事さんから、パジャマとタオルを借りて脱衣所に向かった。

痩せっぽっちの体を、10代の子に見せるのは恥ずかしいなぁ。

腰にタオルを巻いて中に入る。

『優さん!やっときた。』

「広いですね…」

温泉みたいだな、凄い。

身体を洗い終わって湯につかった。

近くに騎士くんが座ってきて

『優さんが、家に来てくれて嬉しいです。』

「僕の方こそ、騎士くんに拾ってもらえて助かったよ。こんなおじさんを雇ってくれるところはなかなかないから…」


『優さんは、おじさんじゃないですよ。』

「みて、手なんかしわしわだよ。」

『そんなことないですよ、柔らかいです。』

ギュッと握られ、びっくりする。
お湯に濡れて、騎士くんのイケメン度がグッと上がる。

「身体だって、こんなに薄っぺらいし…」

『うーん、抱きしめるにはちょうどいいですよ。でも、もう少し太ってくれても魅力的ですね。これから美味しいもの食べましょうね。』

「!騎士くん!」

後ろから抱きしめられてドキリとした。

腰に、騎士くんのが当たって顔が熱くなる。
本人には言いにくくて…


「のぼせちゃうから、上がるね。」

勢いよく上がりすぎて、騎士くんの目の前で腰に巻いてたタオルが落ちてしまった。

え〜
心の中で慌てる。

『優さん…慌て過ぎですよ。』

騎士くんは、さっと腰にタオルを巻いてくれて

「ありがとう…」

浴室を後にした。
騎士くんの対応が大人過ぎる。

髪を乾かしたあと、近くのソファーに腰かけてたら眠くなって意識がとぎれていった…














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