極上パイロットが愛妻にご所望です
 桜宮さんも涼しげな目を大きくして驚いている。まさかそんなことを言うとは思ってもみなかったのだろう。

「だ、だって、桜宮さんはこれからフライトだし、カフェに行っても疲れちゃうかなって。うちだったら、き、気兼ねなく……」

「気兼ねなく? 砂羽をいただいてもいいの?」

「ええっ!? ち、ち、ち、違くて」

 誘ったと勘違いされ、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。

「なんだ。違うのか。残念」

 からかうような声色の朝陽は、フッと笑みを漏らす。

「わかっているから安心しろよ。それに砂羽を思う存分愛するには三時間じゃ時間が足りない」

「な、なに言っているんですかっ!」

 桜宮さんは左手をステアリングから離し、頬にやった私の手を掴む。

「砂羽の部屋を見たい。いい? 襲わないと約束する」

 私はコクッと頷く。

 もう車は自宅マンションに着きそうだった。彼はすぐ近くのコインパーキングへ車を停めた。

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