極上パイロットが愛妻にご所望です
「ありがとうございます。開けていいですか?」

「もちろん」

 美しい包装紙で、丁寧にはがしていると、彼がクッと喉の奥で笑う。

「どうして笑って……?」

 キョトンとなる私だ。

「そうやって丁寧にはがすの、砂羽の癖? それ好きだな」

「とてもきれいだから。とっておきたいなって。あ、普通の包装紙はいつもビリビリに破っちゃいますよ」

「温泉まんじゅうの包装紙は普通じゃなかった? ごめん。俺、勝手に書いちゃったけど」

 申し訳なさそうな表情になる彼に、急いで口を開く。

「いいえ。いいんです。あのときは桜宮さんを前にして緊張して、なにかしていないと、どうしていいのかわからなくて、丁寧にはがしていただけなんです」

「緊張の割には電池が切れたようにパタッと眠ったな」

 彼は思い出したように口元を緩ませる。

「ごめんなさい」

「謝ってほしいんじゃないよ。むしろ気を許してくれたのだと、嬉しかった」

 頭を優しく撫でられ、胸がキュンと音をたてた。

< 123 / 276 >

この作品をシェア

pagetop