極上パイロットが愛妻にご所望です
「城田に知り合いがいるから、募集していないか聞いてもらうけど?」

「それは……少し待って」

 朝陽に確認してからにしたい。

 心の中で、ハンナさんとのことは嘘だ。愛しているのは私だけだと期待してしまっていた。
 

 久美から衝撃的な話を聞き、その夜は眠れなかった。もう二十四時を回っている。早番だから起きるのは三時四十五分。

 朝陽のフライトは早朝に到着予定だから、私がゲート担当になれば、彼の姿を見られるかもしれない。会いたいと思う気持ちは充分にあるが、ハンナさんと並ぶ姿を目にしてしまえば、きっと胸が痛くなって苦しい思いをするだろう。

 でも本当のところはわからないのだから、あれこれ考えるのは、やめなきゃ。
 

 結局一睡もできずに出社することとなった。

 まったく寝ていないのに、不思議と眠気はない。今日、朝陽と会うかもしれない緊張感がなせる業なのかもしれない。

 出社してブリーフィングで私はゲートではなく、チェックインカウンターを担当する。住田くんも一緒に。

 ゲートではなくて、安堵しているのか、がっかりしているのか、正直わからない。

 
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