極上パイロットが愛妻にご所望です
「そうなの? いきなり立ち止まったから驚いたわ。じゃあ、行ってくるわね。砂羽も仕事、頑張って」

「いってらっしゃい!」

 長話をしているわけにもいかず、足早に通り過ぎていく久美の後ろ姿を見送る。

 相変わらず久美はカッコいいな。

 大学で同じ英文科にいた私たちは一年生の頃から仲がよく、目指す職種も一緒だった。

 その頃、私はまだ身長は伸びると思っていて、毎日牛乳を飲んだり、垂直ジャンプをしたりして期待していた。
 
 だけど、いっこうに背は伸びず、私はCAを諦め、GSに進路を変更した。
 
 久美は身長百六十五センチのスレンダーな体型で、紺色のCAの制服が本当によく似合う。
 
 去年、AANのGSの枠に空きがあると教えてくれたのは久美だった。彼女はいつも私のことを考えてくれている親友だ。
 
 そんな彼女は今年の六月に、AANの機長・城田(しろた)誠司(せいじ)さんと結婚する。

 三十六歳の城田さんは、去年機長に昇格した若手のホープ。ふたりは二年前から交際し、愛を育み、結婚を決めた。
 
 
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