極上パイロットが愛妻にご所望です
情報を聞き終えた比呂は、茫然としながら口を開く。
「622便のメインギア右の車輪が下りないって……」
メインギアとは機体の胴体脚のことで、三つある車輪のうちのひとつに起こったトラブルの連絡だった。
チェックインのお客さまが異変に気づいた場合、動揺しないように声かけをするようにとの日向主任からの指示だ。
「車輪が出ないって……」
朝陽の操縦する機体のトラブルに、全身が震えだす。喉の奥から絞り出すような声に、比呂が眉根を寄せる。
「砂羽、大丈夫? 知り合いでも乗っているの?」
「う、うん……比呂、どうしよう……」
「どうしようって……機長とコーパイに任せるしか……」
腕時計へ視線を落とし、時間を確かめる。あと三十分経たなければ休憩に入れない。自分ができることなんてないけれど、展望デッキへ出て朝陽が操縦する旅客機を目で確かめ、無事を祈りたい。恐怖に襲われるだろうけど見守っていたい。
最悪の事態が脳裏をよぎるが、朝陽ならなんとか回避できる。そして彼が無事ならば、どんなことでも受け入れる。
「622便のメインギア右の車輪が下りないって……」
メインギアとは機体の胴体脚のことで、三つある車輪のうちのひとつに起こったトラブルの連絡だった。
チェックインのお客さまが異変に気づいた場合、動揺しないように声かけをするようにとの日向主任からの指示だ。
「車輪が出ないって……」
朝陽の操縦する機体のトラブルに、全身が震えだす。喉の奥から絞り出すような声に、比呂が眉根を寄せる。
「砂羽、大丈夫? 知り合いでも乗っているの?」
「う、うん……比呂、どうしよう……」
「どうしようって……機長とコーパイに任せるしか……」
腕時計へ視線を落とし、時間を確かめる。あと三十分経たなければ休憩に入れない。自分ができることなんてないけれど、展望デッキへ出て朝陽が操縦する旅客機を目で確かめ、無事を祈りたい。恐怖に襲われるだろうけど見守っていたい。
最悪の事態が脳裏をよぎるが、朝陽ならなんとか回避できる。そして彼が無事ならば、どんなことでも受け入れる。